諸君 私はコントロール奪取が好きだ
諸君 私はコントロール奪取が好きだ
諸君 私はコントロール奪取が大好きだ
心変わりが好きだ
強奪が好きだ
強制転移が好きだ
エネミーコントローラーが好きだ
大捕物が好きだ
霊使いが好きだ
グレイドルが好きだ
餅カエルが好きだ
サクリファイスが好きだ
このカードゲームで行われるありとあらゆるコントロール奪取が大好きだ
ご無沙汰しております。
今回はコントロール奪取大好き人間によるコントロール奪取デッキの紹介です。
はじめに
本日の主役はこのひと。
アルカナフォースⅦ-THE CHARIOT
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、コイントスを1回行い以下の効果を得る。●表:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、そのモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。●裏:このカードのコントロールを相手に移す。
登場時にコイントスを一回行い、
表(以下正位置)なら倒したモンスターを、自分場に特殊召喚。
裏(以下逆位置)なら自ら相手フィールドに転移していきます。
考えなしにアタッカーとするには攻撃力が心もとないですが、光属性・天使族という恵まれたステータスのおかげで「ユニオン・キャリア―」を経由して「ZW-阿修羅副腕」を装備することである程度解消できます。
通常攻撃が全体攻撃で洗脳能力を持った天使族は好きですか?
《チャリオット》の真骨頂は、「コントロール奪取に関する裁定の判定の緩さ」にあります。
戦闘破壊したモンスターのコントロールを得る効果を持つモンスターは数多くいますが、《ゴヨウ・ガーディアン》などと明確に違う点として、
・奪取したモンスターの表示形式や効果の発動に一切の制限がありません。
・戦闘破壊したモンスターを持ち主の墓地へ送る必要もありません。
これが何を意味するかというと、
・《マクロコスモス》のような墓地送りを阻害する効果が適用されていても、除外されたモンスターをそのままこちらの場へ強制帰還。
・《亡龍の戦慄デストルドー》のようなデッキの中に逃げたモンスターも持ち主のデッキから特殊召喚(非公開領域からも引きずり出し〇)
・ペンデュラムモンスターを倒せば相手のエクストラデッキからペンデュラム召喚(偽)
以上のような様々な怪奇現象を発生させることができるということです(2021年現在)
そして《チャリオット》は、相手フィールドに存在するモンスターであれば元々の持ち主が自分であってもOKです。 相手によって奪われた仲間の目を覚まさせたり、送り付けたモンスターを倒して奪い取るというマッチポンプ的行為も出来てしまうという訳です。
さて、この《チャリオット》の特殊能力に、上記の《阿修羅副腕》による連続攻撃を付与したらおもしれーことになるのでは?だがしかしこんなにクセもポテンシャルもデッケえオモロ・エンジェルにピッタリの相方はこの世界に果たして存在するのか?
長年の研究の末、膨大なカードプールの中から探し求めた《チャリオット》の最優のパートナー…それがこちらになります。
もう一人のボク…
《チャリオット》の本領が発揮される瞬間、それは即ち彼のもう一つの効果である「このカードのコイントスによって逆位置が出た場合、このカードのコントロールを相手に移す」が活きる時、
つまりもう一人の《チャリオット》と相対した時なのです。
①《ユニオン・キャリア―》効果で《チャリオットA》に《阿修羅副腕》を装備
②《チャリオットB》を召喚し効果発動、逆位置効果で相手場に転移
③《チャリオットA》で《チャリオットB》に攻撃、戦闘破壊
④《チャリオットA》正位置効果で《チャリオットB》を自分墓地から特殊召喚
⑤《チャリオットB》効果発動、逆位置効果で相手場に
以下③~⑤を相手ライフが尽きるまで繰り返すことが可能です。
《チャリオット》の効果は登場時のコイントスの結果で決定するため、アルカナフォースモンスター専用サポートである《光の結界》による運命操作はほぼ必須となりますが、《光の結界》にはコイントスの任意決定の他に、自分のアルカナフォースモンスターが戦闘破壊した際、そのモンスターの攻撃力分のライフゲインを行う効果もあります。こちらも《チャリオット》同様に倒したモンスターが持ち主の墓地へ送られるかを問いません。
つまり、チャリオット二体によるコンボが決まるとコントロール奪取&転移による「無限戦闘ダメージ」と「無限回復」のWループが発生することになります。ループが発生した段階で相手プレイヤーに戦闘ダメージが入らない状況だったとしても、ライフポイントを無量大数にすることでデッキ切れ・特殊敗北以外の負け筋は無くなります。
このデッキの最終的な盤面の目標は「お互いの場に《チャリオット》を並べ、こちらの副腕付き《チャリオット》で相手場の《チャリオット》を相手が泣くまでタコ殴りにする」
です。
無限ループにときめかないデュエリストはいない。邪心経典にもそう書いてある。
デッキレシピ
そんな訳で完成したものがこちらになります。
このデッキのループコンボに必要なカードは
・《チャリオット》×2
・《光の結界》
・《アルカナリーディング》(墓地)
の4枚+《阿修羅副腕》を引っ付けるための《ユニオン・キャリアー》です。
この内、《光の結界》は《ワルキューレ・セクスト》→《ワルキューレ・フュンフト》を経由した《警衛バリケイドベルグ》で、《チャリオット》は《デスペラード・リボルバー・ドラゴン》の③効果で手札へと引き込むことができます。
《チャリオット》の召喚を補助する《アルカナリーディング》のみ直接的なサーチ手段は存在しませんが、②の効果を使用するだけなら《ワルキューレ・フュンフト》で墓地へ送っておけば事足ります。
この《ワルキューレ》《デスペラード・リボルバー・ドラゴン》に触るための初動として、《宣告者の神巫》《サイバー・ダーク》シリーズを採用しています。
序盤のおおまかな動き方
①《神巫》ns,《トリアス・ヒエラルキア》を墓地へ送り《ヒエラルキア》効果で《神巫》をリリースしss
②《神巫》効果で《ワルキューレ・セクスト》をss,《セクスト》効果で《フュンフト》をss,《フュンフト》効果で《光の結界》を墓地へ
③《ヒエラルキア》《フュンフト》で《バリケイドベルグ》ls,手札を1枚捨て《バリケイドベルグ》効果発動
④《セクスト》素材に《リンクリボー》ls,《バリケイドベルグ》《リンクリボー》で《ユニオン・キャリアー》ls,自身を対象に効果を発動し《デスペラード・リボルバー・ドラゴン》を装備
⑤エンドフェイズに《バリケイドベルグ》効果で《光の結界》を墓地から手札へ
こんな感じで《神巫》+手札コスト1枚で《チャリオット》をサーチできる《デスペラード》+《光の結界》を工面します。
一方の《サイバー・ダーク》は、戦闘を介してデッキ・EXデッキから墓地肥やし&盤面の露払いを行うサブ初動要員です。《サイバーダーク・ワールド》で本命への召喚権を温存しつつ動けるのがメチャ強な他、闇・機械というステータスも小さくないメリットで、素引きした《デスペラード》の自己ss効果のトリガーになることができます。
また後述しますが《カノン》《クロー》が場から墓地へ送られた際のドロー・サルベージ効果もリソース源としても重宝します。
次のターン以降は手札内容に合わせて足りないパーツの調達を第一目標にしつつ、ケースバイケースで立ち回ります。《チャリオット》を2枚工面するのがしんどくても、2700打点の全体攻撃戦車はとりあえず立てられると思います。ループしなくても結構強い子です。
墓地と互いの場を移動し続ける挙動不審なモンスターを認識した相手プレイヤーの顔つきを想像しつつ、理想の盤面を目指していきましょう。
かわいいね。
採用カードのあれやこれ
《ワルキューレ・シグルーン》
《セクスト》の2回目以降のss先。
素引きした際も、魔法・罠ゾーンを圧迫しがちな《サイバー・ダーク》カードを剥がしつつ登場し《フュンフト》を蘇生してくれます。《カノン》《クロー》を剥がせばリソース回収もでき、《ヒエラルキア》と共にランク9も組めるデキるお姉さん。
《黄金卿エルドリッチ》
みんな大好き黄金卿。《カノン》でとりあえず落として《カノン》を剥がして復活&ドローは鉄板。打点にも破壊耐性にもお世話になりっぱなし。
《鎧獄竜-サイバー・ダークネス・ドラゴン》《サイバー・ダーク・キメラ》
《パワー・ボンド》《サイバーダーク・インフェルノ》《サイバーダーク・インヴェイジョン》
このデッキの裏エースとそのサポーター。《インヴェイジョン》は《デスペラード》を場⇔墓地と往復させつつ露払いを行える永続罠。
《チャリオット》でのループキルが難しそうな場合は、《サイバー・ダークネス》で複数回のカウンターができる盤面を作りながら《チャリオット》を攻撃表示で送り付けて轢き逃げアタックを狙うことが多いです。
《サイバー・エッグ・エンジェル》《祝福の教会-リチューアル・チャーチ-》
《神巫》のリクルート先第二候補。手札交換に墓地の光属性・天使族蘇生と、痒いところに手が届きすぎることで有名。
素引きが辛い《パワー・ボンド》をデッキに戻し、終盤の《サイバー・ダーク・キメラ》→《鎧獄竜-サイバー・ダークネス・ドラゴン》の流れを作るのに一役買ってくれます。
《サイバー・エンジェル-弁天-》《サイバー・エンジェル-那沙帝弥-》《機械天使の儀式》
《リチューアル・チャーチ》のサーチ先として1枚ずつの採用。
《那沙帝弥》は今更語ることもないインチキカード。《弁天》は《チャリオット》《神巫》のサーチ役として使えたらラッキーくらいの気持ちです。
《機械天使の儀式》の墓地効果(光属性の破壊を一度だけ肩代わり)の範囲の広さがとにかくありがたく、不意の一撃から命を救われた《キャリアー》や《チャリオット》の数は計り知れません。
《テラ・フォーミング》《死者蘇生》
各種フィールドへの依存度が大変に高く、主力のほとんどが蘇生が有効なので採用。
《禁じられた一滴》
手札・場のカードをコストに厄介なカードを沈黙させます。
戦闘補助・《カノン》《クロー》を剥がしてアド回復・魔法なので《リチューアル・チャーチ》のコストにもなれる、とにかく取り回しが利きます。カウンター封じ効果で無効化されづらいのもありがたい…
《宇宙との交信》
男もすなるオシャピンといふものを女もしてみんとてするなり(『決闘日記』より引用)
《チャリオット》《ナーサテイヤ》《九魂猫》などで奪ったモンスターを《ユニオン・キャリアー》《デスペラード》《鎧獄竜》に変換できる佳いカード。永続魔法なので腐っても《シグルーン》《リチューアル・チャーチ》のコストになる他、《バリケイドベルグ》の回収対象としてチョイスすることもできます。
《ユニオン・キャリアー》
世界で一番えらいリンクモンスター。序盤中盤終盤と隙が無い働きぶりを見せてくれるためフル投入です。
《旧神ヌトス》《虹光の宣告者》
《神巫》《クロー》でシュートします。頼りになります。
《PSYフレームロード・Ω》
エクストラデッキから直で落とされることがほとんどですが、たまに普通に召喚もされる。《ヒエラルキア》や《機械天使の儀式》を戻すのが主。
《九魂猫》《幻子力空母エンタープラズニル》
《ヒエラルキア》《シグルーン》で出します。前者は墓地蘇生から《宇宙との交信》に繋げるために出すことが多め。後者はこのデッキでは希少な対象に取らない除去効果持ち。
《リンクリボー》
このデッキでは素材にできるのが《ワルキューレ・セクスト》のみなのですが、闇属性組と《ユニオン・キャリアー》を組むのにどうしても必要なので入れてます。
《クロシープ》《転晶のコーディネラル》
汎用リンク枠。エクストラモンスターをそこそこ満遍なく使うので《クロシープ》の効果が誘発する機会は多いです。《コーディネラル》は語ることなし。大好き。
採用候補だったカード
《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》《機巧蛙-磐盾多邇具久》《惑星探査車》
攻守が一致している《チャリオット》を《機巧狐》で直接リクルート、《惑星探査車》で《光の結界》をサーチできることもあり採用候補筆頭だったのですが、《機巧狐》で光属性を参照できるシチュエーションだとどうしても某最強のアルカナフォースも併用しない理由が無いという悩みの種があり…
またリクルートを基本戦術に据えるとどうしても立ち回りが大味になってしまう感が拭えないというのもありました。
よりアクセスが容易な《デスペラード・リボルバー・ドラゴン》が《チャリオット》を用意する手段として充分優秀で、また《デスペラード》のサーチ範囲からは露骨に絶妙に《WORLD》が外れていることもあり、《チャリオット》を主役にするデッキのギミックとして《機巧》はちょっとナイかなという結論になりました。アルカナだけど。
《イーバ》
このデッキは《宣告者の神巫》を序盤に引けているかがかなりの重要度を占めているため、彼女のサーチ要因として。
《サイバー・ダーク・クロー》を引いていれば《クロー》で《虹光の宣告者》、《カノン》で《イーバ》を墓地へ送ることにより儀式カードと共に《神巫》を手札に引き込めます。ただこのカード自身を素引きした際に手札から切る手段に乏しく、デッキの枚数を極力絞りたいため今のところは採用していません。
《アルカナフォースXⅣ-TEMPERANCE》
《デスペラード》でサーチできるクリボー。即死回避要因として割とアリなんですが、こちらもデッキスペースに猶予が無かった。
《幻魔皇ラビエル-天界蹂躙拳》
コントロール奪取がコンセプトな事もあり、展開の途中でモンスターゾーンが埋まってしまうことが時たまあるデッキのため、盤面整理要因として採用を検討しました。
が、素引きがかなり重いことと、より柔軟に盤面に対応できる《禁じられた一滴》に枠を譲ることとなりました。
あとがきという名の自分語り
フェイバリットカード(チャリオット)×フェイバリットテーマ(サイバー・ダーク)×フェイバリット初動(神巫)=最強のデッキ(最強の方程式)。
ここに至るまでの道のりはもうホントマジで決して楽ではありませんでした。
以前は《EMカレイドスコーピオン》などを駆使してなんとかルートを開拓しようと足掻いていましたが、LVP3で登場した《ユニオン・キャリアー》により阿修羅キャリアー戦法が考案され、PHRAでアルカナフォース待望のサポートカード《アルカナリーディング》が登場したことで道が拓かれ、強化された《サイバー・ダーク》の力を借りることでようやっと一つの形になりました。
このデッキが”成った”日は偶然自分の誕生日だったのですが、デッキが組みあがるまでの道のりもひっくるめて、自分の遊戯王人生に一つピリオドを打ったような気分でいます。もはやデッキ名【俺】です。
これからもよろしくね。
おしまい。
《ユニオン・キャリアー》禁止にならないでね。